毎日新聞 6月23日 朝刊紙面より
2009年 07月 02日
帰り際、取材にいらしていた毎日新聞社の記者の方に、私のダージリンへの想いとともに、プライベートオークションなどにより、いまではこれだけのガーデンティーを味わうことができるようになったこと、そして、生産地からいらした茶園のマネージャーとともに、消費地で紅茶の産地について語り合えるほどに紅茶の世界が成熟しつつあることの大きな意味を、ときにコーヒーの世界で起こった「スペシャルティコーヒー」というムーブメントを下敷きにしながら、熱く語ってまいりました。
記者の方も、私の一言ひとことに、「なるほど!」「よくわかりました!」「充分です!」「そろそろ勘弁してください!」と熱く返してくださいます。
ただひとつ、最後の「勘弁してください!」という言葉が少しばかり気掛かりでしたが、翌日、知人から「新聞にお前が載っていてビックリしたぞ!」と電話をいただきました。
どうやら紙面で大きく取り上げてくださっているようです。プロの書き手の方が、私のコメントをどうまとめてくださったのでしょう、ワクワクしながらさっそく私も拝見させていただくと、確かに大きく載っておりました。(苦笑)
悪目立ちしている私はひとまず、写真手前の紳士が、J.D.Rai氏でいらっしゃいます。
タルボ農園のみならず、ダージリンの6茶園でマネージャーを兼任する、文字どおりダージリンティーの第一人者でいらっしゃる方です。
「紅茶には2つある、ダージリンティーとそれ以外だ、と、少しばかりの皮肉を込めて仰る方々がいらっしゃいますが、ダージリンティーの生産者でいらっしゃるRai氏はどうお考えになりますか?」という、答え難いであろう私からの質問に、「ダージリンティーは神からの贈り物なんだよ」と答えてくださいました。
私自身はまったく皮肉を込めずに、紅茶には2つあって、それはダージリンという産地の歩んだ固有の歴史とともに、マイクロクライメイトが他を圧倒しているがゆえの必然ではないかと感じています。
それを、Rai氏は、「神からの贈り物」というひとことでまとめているのではないでしょうか。
ダージリンティーとスペシャルティコーヒーの共通項は、常々体感していますが、果たして他の紅茶の中にも見いだせるでしょうか。
反対に、もしダージリンティー以外の紅茶の中にある素晴らしい要素に気が付くことができれば、いままで見落としていた、スペシャルティーコーヒーの新しい魅力を感じることもできるでしょう。
素晴らしい世界に興味は尽きません。
by hibaricoffee | 2009-07-02 04:23